樹木医治療の例(クロマツ)
2023.01.25樹木医の伊藤です。
伍福園には専門の樹木医による樹木の診断、治療を行っております。
松の葉が黄色くなった、マツクイムシではないか?松の葉が垂れて元気がないのでどうしたらいいか?
など最近多く相談寄せられます。
今回は松の樹木治療についてご紹介します。
菌根菌を使ったクロマツの樹木治療
地上部の松の葉色が、年々黄色くなりこのまま枯れてしまうのでは?と相談がありました。
診断した結果、
根本が客土や造成の関係で深植えや、過去大きな根を切った痕跡等みつかりました。
その部分から幹上部方向にむかって亀裂が入り枯れ枝等が多くなっている要因の一つとも考えられました。
お施主様ご家族の強いご希望で、大切なご先祖様からの松が枯れない様に
何かしら対処してほしいとご希望され治療を行うことになりました。
治療方法は先輩樹木医とも相談し、過去他の松でも治療効果のあった菌根菌を使った樹木治療と土壌排水改善を行いました。
写真の作業は、根本の多い土を取り除き、縦穴式の穴を掘り排水性の良い改良材を入れるため穴を掘っています。
同時に細根を丁寧に出して松と共生関係にある土壌菌を入れる治療を行います。
一年前(2021・11) 相談があった当時の松
黄色い部分の葉がみられます。(年々上の方へ黄色い部分や枯れ枝が増えていた)
治療1年後2023・11月(右下写真)
※画像処理等は一切おこなっておりません。
別角度(2021・11月治療前)右下写真
治療後経過写真1年後(2022・12)
現状より悪くならない様になればと思って治療をおこないましたが、
結果はこの松の生命力に驚かされるほど、良い方向へ葉の色、密度が改善されました。
今後剪定や消毒等経過を観察しながら行っていきたいと思います。